約 1,148,634 件
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/440.html
皆さんこんにちは! 過疎の真っ只中の昨今、どうお過しでしょうか? え?私は誰かって? 嫌ですねぇ、『ドラゴンボール』ですよ! えぇ、なんでも好きな願いを叶える、アタリ中のアタリです! 願いの種類にさえ気をつければ、優勝だろうが対主催だろうが思うがままです! このゲームが開始されて3時間ほど立ちますが、未だ開封されなかったので忘れられてるんじゃないかと心配になりましたが、 やっと開封されるみたいです! 今、手が入って来て――― 上条当麻が放り出された場所は10m程の上空(当然下はコンクリ)だったため、 上条当麻はスタート3時間ほどたっぷり気絶した後、支給品の確認等を開始した。 殺されなかったのは運が良かっただろうが、 自分の事だからこの後数乗したクラスの不幸が現れそうで恐い。 支給されたディパックの中に右手を突っ込んで探っていると、 バギン!!という、ガラスが割れるような音がした。 「…あ?」 上条の脳裏に最悪の予想が展開され、直ちにディパックの中身をぶちまけたが、案の定支給品と思われる物は何も入っていなかった。 「…不幸だ」 上条当麻の右手には、『幻想殺し』と呼ばれる、『それが異能の力であれば、神様の奇跡だって破壊する』と言う能力が宿っている。 どうやら、その能力で中に入っていた支給品を破壊してしまったらしい。 と、その時。 『あー、テステス!本日は晴天なり本日は晴天なり!』 「…ッ!?」 突然の声。主催者の放送かと思ったが、どうも違うらしい。 主催者への抗戦を告げる、放送の声。 当然、それを妨害する者が現れるだろう。 それなら。 「…上等だ。一人しか生き残れないなんて幻想、この俺がぶち殺す!」 【C-7 駅構内 3 00】 【上条当麻@とある魔術の禁書目録(その他・サブカル系)】 [状態] 健康 [装備] なし [道具] 支給品一式 [思考] 1 放送をした人間(ハルヒ)と合流する 2 仲間を集め、主催者を倒す
https://w.atwiki.jp/niziroyale/pages/144.html
『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(後編) ◆ElBBuB18Y2 『……ちょっと待って。何て言ったか良く聞こえなかったんだけど』 上条の返答に、球磨川の言葉に初めて揺らぎが現れた。 とはいえそれは球磨川以外には感じ取れないであろう微小なもの。 ほんの少し言葉を窮して、球磨川は口を開いた。 「何度でも言ってやるよ。俺は殺し合いには乗らない」 へえ、と球磨川の笑みに暗い色が入り込む。 成る程、とも思う。 自分が上条当麻という人間に惹かれた理由が、何となく分かったような気がしたのだ。 『インデックスちゃんは救わなくて良いの? 大切な人だったんだろ? なら、何をしてでも助けたいって思うのは必然さ。 それに他の参加者を殺害したって甦らせる事は出来るんだ。この状況で殺し合いに乗らないっていうのは、正直上条ちゃんの覚悟が足りないとしか思えないなあ。 もしくは―――』 今球磨川が吐いている言葉は、上条を煽る為のものではなかった。 上条を試す為の、自分の確信が正しいかどうかを確かめる為の、言葉。 『過負荷』にして『負完全』の男は、上条の心をへし折る気であった。 今まで幾千幾万と行ってきた事だ。 球磨川の『過負荷』に耐えられた者など、数える程しか存在しない。 『―――実はインデックスちゃんをそんなに大切には思っていなかった、とか』 その球磨川が全力を以て上条の心を壊しにいく。 球磨川は自身を地球上で一番弱い生き物だと自負している。 弱さという弱さを知り尽くし、だからこそ他人の弱点や死角、突くべき隙が良く分かる。 先ほど寺生まれの男を葬れたのも、この能力にも至らぬ特技があったからこそだ。 完全な隙を読み取り、攻撃を繰り広げる。 読み取れる弱点は肉体面は当然として、精神面にも等しく及ぶ。 だからこそ、球磨川は察知できた。 上条が如何にインデックスを大切に思っているのかを。 そして、上条がインデックスに対して感じている後ろめたさを。 『インデックスちゃんに対して後ろめたい事でもあったんでしょ。だから内心ホッとしているとか。その後ろめたい何かがバレる事なく、インデックスちゃんが死んでくれて』 それらの弱点(マイナス)を読み取った球磨川は、その心を折る為に上条へと突き付ける。 上条が球磨川の思った通りの人間なのかどうか、これで判明する。 球磨川ほどの『過負荷』を手加減無しで受けて、それで折れない人間。 それはもはや『普通』ではない。 『異常』。しかも『異常』の中でも『異常』に位置する人間だ。 自分の『過負荷』を受けて尚、折れる事のなかった上条の精神に、球磨川は『異常』の片鱗を感じ取っていた。 「……そうだ、俺はインデックスに嘘を吐いていた」 上条は思いの外あっさりと球磨川の言葉を受け入れた。 顔中に苦汁の色を浮かべ、だが、それでいて瞳は揺るがない。 真っ直ぐに球磨川を見据え、上条が言葉を飛ばす。 「確かに俺はインデックスに後ろめたさを感じていた。もしかしたらお前の言う通り、ほんの少しでも安堵している自分がいるのかもしれない。 でもな、インデックスは救いたかった事は確かだ。インデックスを救えなかった自分を、今すぐにでもぶち殺したい気分だ」 『インデックスを救えなかった自分を今すぐにでもぶち殺したい、ね。うーん、カッコ良い言葉だ。でもね。残念ながら、口では何とでも言えるんだよねえ。 実際に君はインデックスちゃんを見捨てて、殺し合いに乗る事を拒否した。口では何と言おうとそんなものさ。君にとってのインデックスちゃんはその程度って事なんだよ』 球磨川は、上条の言葉を受け止め、打ち返す。 言葉の全てを否定し、更なるマイナスへ歩むように誘導する。 「違う。お前が俺とインデックスの関係をどう言おうと関係ない。俺は信じている。俺とインデックスの出会いには意味があり、インデックスの人生にも意味があった。 俺とインデックスの繋がりは、今ここで出会っただけのテメェなんかに測れるようなもんじゃねえ」 そして、それでも、上条当麻は折れなかった。 球磨川禊という『過負荷』を正面から受けて尚、上条当麻は自身の言葉を譲らない。 球磨川禊が押し黙る。 変わらぬ表情で、だがしかし言葉だけが止まる。 「俺がもし殺し合いに乗ったとして、優勝したとして、それでインデックスを生き返らせたとしても、インデックスは絶対に喜ばない。 寧ろ怒りまくって俺をぶん殴る筈だ。『上条当麻』はそんな奴じゃない、ってな。インデックスっつう女の子はな、他人の為なら自分の危険すらも省みない、強い女の子なんだ。 そんな奴が何十人もの人々の死で成り立った『生』を喜ぶと思うか?」 球磨川の疑惑は確信に変化していた。 コイツは『異常』だ。 人殺しを忌避し、自分の信じるものを何処までも信じ抜く。 己の信念に従って行動を続けていく。 そんな『普通』な行動を、こんな異常下にあっても、想い人を殺害されてさえも、貫き通す。 コイツは何処までも『普通』であり、『普通』であり続けようとする。 それがまさに『異常』なのだ。 何処までも何処までも『普通』を押し通そうとするそんな『異常』が、この上条当麻だ。 「それは多分普通の人もそうだと思う。例え生き返られたのだとしても、五十七人もの人々の死で成り立った『生』なんて誰も喜ばない。 いや、喜べねえよ。記憶がなくなったとして、何もかもを忘れてしまったとしても、それはその人を苦しめる筈だ。その人の『心』を苦しめる筈だ。 俺は、その苦しみを人々に、インデックスに押し付ける事は出来ない」 『自己中心的で、自分本位で、何処までもプラスな考え方だね。死者はもう何も考えられないし、そこで何もかもが終了だ。 死者にプラスもマイナスもないんだよ。それをイーブンに戻して上げるだけでも充分だ。そこからマイナスに堕ちるか、プラスに昇っていくのかは当人達の問題だよ。甦生を喜ぶ者だっている筈だしね。それを頭ごなしに否定し、自分の考えを押し付けるのは如何なものだと思うけどね インデックスちゃんの事だってそうさ。結局、何やかんや理由を付けようと、君自身が人を殺すのを嫌がっているだけだ。ありもしない死者の感情を言い訳に使って自己を正当化させるなよ、卑怯者』 「……確かにそうだ。結局は俺が殺し合いをしたくないってだけだ。インデックスを見捨てて、この場で死んでいく参加者すらも見捨てて、それでも自分の考えを押し通そうとしているだけだ。 でもな、それでも俺は、殺し合いに乗る事だけは絶対にできない。それはインデックスを、そして『上条当麻』を裏切る行為だ。だから、乗らない。 殺し合いなんかに乗らずに、出来るだけ多くの人々を救える方法を考えていく。インデックスなら絶対にそうする。『上条当麻』なら絶対にそうする。 俺の心も―――そう言っている」 『異常』なまでに『普通』であり続ける男。 自分の『過負荷』を受けてすらもブレる事のない『普通』さは、最早『異常』でしかない。 このような男がいる者なんだ、と球磨川は正直に思った。 その思想は黒神めだかのそれと何処か似通っていて、だがしかし、何処かが絶対的に異なっていた。 黒神めだかを『上から目線性善説』と言うのなら、コイツは『頭ごなし且つ押し付け性善説』と言ったところか。 黒神めだかは余りに常人離れした自分の力によって、そのような思想を持った。 ならば、何故大した力を持たないこの男は、このような思想を持ったのか。 それは球磨川でさえも読み解く事はできない。 だが、そんな事は既にどうでも良かった。 何時いかなる時も笑顔という名の仮面に隠されている球磨川の心。 誰をも踏み込ませぬ心が、大きく騒ぎ立つ。 『ふーん。それが上条ちゃんの考え方か。分かった、分かった、よーく分かった。僕なんかじゃ、君の意思を曲げる事はできないみたいだ。そっか、そっか』 「……お前は何なんだ。何故俺を殺し合いに乗るように仕向けた? 何で見ず知らずの俺にこんな事をした?」 一人納得するように呟く球磨川へと、上条は疑問を投げかけた。 上条には何もかもが分からない。 目覚めたらこの球磨川という男がいて、その言葉に思うがままに翻弄された。 何とか立ち直る事は出来たものの、だからといって現状を理解できた訳ではない。 この男は何者で、何が理由で自分を陥れようとしたのか。 そもそもこの男は殺し合いに乗っているのかいないのか、それすらも判断がつかない状態だ。 上条は揺れる思考で考えながら、球磨川を見詰める。 『別に深い理由はないよ。上条ちゃんって自意識過剰? 煽動するのに深い理由が必要な程、自分に価値があるとでも思ってるの?』 「なっ……!」 『まぁ、でもこのままノンビリ過ごすのもツマらないからね。そうだなあ。ここは殺し合いに乗らない上条ちゃんに対抗して、殺し合いに乗っちゃおうか』 「お、おい……ッうお!?」 驚愕の声と共に上条は横に跳んでいた。 唐突に球磨川が襲い掛かってきたのだ。 両手に出現した大螺子を、上条がいる空間へと思い切り振り下ろす。 失血と傷の痛みにより上条の動きは鈍かったが、紙一重で回避に成功した。 「何言ってやがる! お前の知り合いだって、この殺し合いに参加させられてるのかもしれないんだぞ! それでもお前は、そんな簡単に殺し合いに乗っちまうのかよ!」 『うん、乗るよ。でも、勘違いしちゃいけない。僕は優勝を目指す訳じゃない。『過負荷』の勝利を目指すんだ。空しい、虚しい勝利をね。 だから、『過負荷』のみんなは殺さないよ。てか、みんななら協力してくれるだろうしね。僕が殺すのは黒神めだかや上条当麻、君達みたいなエリートさ。 肉体や精神、知能や社会的なエリート。それだけを僕等は殺害していくのさ。 それに、』 予想外というよりも、余りに斜め上だった球磨川の返答に、言葉を無くす上条。 そんな上条に対して球磨川は尚も言葉を紡ぐ。 それは何処までもマイナスな言葉であった。 『どうせ、僕は全部をなかった事にできるんだしね』 そして、全てを台無しにする一言を球磨川は零した。 「? 何を言って……」 『上条ちゃんは知らないよね、僕の能力。『大嘘憑き』―――『現実(すべて)』を『虚構(なかったこと)』にする。それが僕の『過負荷』だ。といっても理解できないだろうから、その一端を見せて上げるよ』 球磨川はそう言うと部屋の明かりを点けた。 薄暗闇が照らされ、部屋の全容が見せ付けられる。 上条はヒュ、と息を呑んだ。 四方を囲む壁の、その一面。 上条から見て右手側の壁にそれがあった。 巨大螺子で四肢を壁に縫い付けられ、その頭部と顔面をも巨大螺子に貫かれた人間。 本来目や鼻や口がある箇所には、螺子の頭に刻まれた『+』の部分が置いてある。 込み上げる吐き気に、上条は思わず膝を付いて屈み込む。 『おいおい、彼は君の命の恩人だぜ。お礼の一つでも言ってやれよ。シカトを決め込むのは陰湿なイジメ描写に思われちゃうぜ』 球磨川の言葉に、上条は思い出す。 腕を斬り落とされた直後、金髪の女に迫られている自分をとある男が助けてくれた事を。 コレが、そうなのか。 自分を助けてくれた男が、こんな無惨な姿にされてしまったのか。 コイツの、せいで。 「う、おおおおおおおおおおお!!」 右腕の喪失も失血状態にある事すらも忘れて、上条は球磨川に殴りかかった。 フラフラと身体を揺らしながら放った左拳は、当然の如く球磨川には届かない。 カウンターで振るわれた三本の巨大螺子が、上条の胴体と両足を死体と対面の壁へと拘束する。 『落ち着けよ、上条ちゃん。全てが下らなくなる世紀のマジックはこれからだぜ』 上条を見る球磨川の瞳は、溝川のように濁りきっていた。 濁り、汚れ、それでいて底が知れない。 本能的な嫌悪感を、上条は球磨川の瞳に感じていた。 肌が粟立つのを止められない。 『さて、上条ちゃんも注目してくれたところで始めますか。種も仕掛けもございません。下らない現実は全てなかった事に―――イッツ・オールフィクション!』 そして、上条の眼前でその現象は発生した。 男の身体を壁へ縫い付けていた螺子が、音もなく消失する。 同時に上条を拘束する螺子も消え失せた。 重力に従って床へと倒れ込む男と、拘束を解かれ男の元に駆け寄る上条。 あれだけの大螺子を取り除かれたというのに、死体と上条から出血はなかった。 男は血染みの一つもなく、横たわる。 上条は血染みの一つもなく、男へ近付く。 そして、男の姿を見た瞬間、上条の表情が驚愕に塗りつぶされた。 「傷が……なくなってる……!?」 そう、倒れ伏す男は傷一つない健康体であった。 四肢の貫通傷も、顔面を蹂躙していた傷も存在しない。 まるで最初からそんな傷などなかったかのように。 男は無傷の状態で横たわっていた。 それは上条も同様で、腹部と両足の傷がなくなっている。 『そう、これが僕の『過負荷』さ。『現実(すべて)』を『虚構(なかったこと)』にできる力。だからさ、上条ちゃんも無駄に頑張らなくたって良いんだぜ? どうせ全てなかった事になるんだ。この中でくらい普段はできない事をやってみれば良いよ。殺人とか泥棒とか放火とか、さ』 すべてをなかった事にできる力。 科学と魔術に属する数多の異能を見てきた上条からしても、極めて異質で強力な能力である。 それまでの異能者とは桁違いの力を見せ付けた『神の右席』にも匹敵する、いやそれ以上の力すら感じる能力。 人の生死すらもひっくり返す、神の所業にも似た圧倒的な能力。 身の毛がよだつのを、上条は感じていた。 愕然の能力に確実な恐怖を覚えながら、上条は口を開いた。 「そういう事かよ……」 紡がれた言葉は、力強いものだった。 球磨川を見詰める視線も、力強いものだった。 『大嘘憑き』という強大な力を見せ付けられて尚も、上条当麻の心は折れない。 的を得た、とも言いたげな表情をもって球磨川を真っ直ぐに見据える。 「ようやく分かったぜ。テメェが何でそんなにふざけた態度なのか、まるで真剣味の感じない態度なのか。 テメェは何でも、人の命ですらも、思い通りにできると思っていやがる。全てを嘘にして、全てをなかった事にできると思っていやがる。 でもな、違う。お前の力は全てをなかった事にはできない。そもそもそんな事ができるのなら、この殺し合いだってなかった事にしてる筈だしな」 『おいおい、独り善がりの考えを押し付けるなよ。僕はこの殺し合いをなかった事にしたいなんて思っちゃいない。なかった事にするとしたら、この殺し合いを存分に楽しんだ後さ。 不快に、非情に、不条理に、理不尽に、最低最悪に、楽しみに楽しんだ後で、なかった事にするんだ。エリートを殺害し、殺し合いを打開しようと奔走する者達の努力を踏みにじって、全てを虚構にする。 こんな下らない殺し合いには相応の幕引きじゃないか』 再び始まる言葉の応酬に、やはり上条は引く事はなかった。 唯一の武器たる右腕を無くし、満身創痍の身でありながら、口を動かし続ける。 自身の内から沸き上がる感情に任せて、上条は『過負荷』にして『負完全』の男へと声を投げる。 「なら、俺のこの傷を治してみろよ。治せるもんならな」 自身の傷口を球磨川へ差し出し、そう言った。 『何だよ、散々挑発してたのは結局傷を治して欲しいからかい? 上条ちゃんもカッコ悪いねえ、頼むなら正直に言えば良かったのに』 上条の行動に疑問を感じながらも、球磨川は傷の治癒を行った。 下らない舌戦に終止符を打つ為にだ。 全てを台無しにする力の存在を思い知り、上条がどう行動するのかを知っておきたかった。 『異常』なまでに『普通』を貫き通す男は、どんな反応を見せるのだろう。 恋人の蘇生を頼み込んでくるのか。 殺し合いをなかった事にしてくれと頼み込んでくるのか。 球磨川は上条の反応に期待を膨らませながら『大嘘憑き』を行使した。 上条の右腕の傷をなかった事にする。 一念と共に施行された力は、 『……なっ……!』 だがしかし、何も発生させなかった。 上条の右腕がくっ付く事もない。 ただ変わらぬ傷があり、本来右手がある箇所には何も無いままだ。 馬鹿な、と球磨川は思う。 自分の『大嘘憑き』を無効化するなど、どんな『過負荷』であろうと『異常』であろうと不可能な筈だ。 制限の二文字が思わず球磨川の脳裏に浮かぶが、それは無いと直ぐさま考えを否定する。 先程は致死にあった人間を復活させる事もできたし、上条の四肢にあった傷だってなかった事にできた。 あれだけの事を虚構にしておいて、この右腕の喪失だけを虚構にできないなど、それこそ有り得ない話だ。 有り得る筈のない事象を前にして、初めて球磨川の表情が感情に歪んだ。 何時もの微笑みが消え去り、目に見える動揺が球磨川を包んでいた。 「言ってなかったか? 俺の右腕にはある力が宿ってたんだよ。神のご加護だろうと何だろうと、それが『異能』であれば打ち消す事のできる力―――『幻想殺し(イマジンブレイカー)』がな」 『幻想……殺し?』 「そうさ。『幻想殺し』がある限り『異能』は打ち消される。例え、自分の治癒を目的とした『異能』であろうとな。 分かったか? お前の『大嘘憑き』とやらは絶対じゃねえ。俺の右腕に、それも斬り落とされてただの物体と化した右腕如きに打ち消される、矮小な『力』さ。 俺の『幻想殺し』にさえ通用しない『力』が、この殺し合いの主催者に通用するとでも思ってんのかよ」 『幻想殺し』。 『大嘘憑き』すらも打ち消してしまう、上条当麻の『力』。 それは本体から切り離されて尚も効果を継続し、『大嘘憑き』を無効化した。 「『大嘘憑き』っていう、テメェの下らない幻想はぶち殺したぞ。絶対とは程遠い『力』に頼って、それでもお前はこの殺し合いで好き勝手するつもりか。 そうだって言うんなら、俺は何度でもてめぇの前に立ち塞がるぞ、球磨川! 『幻想殺し』があろうとなかろうと関係ねえ。俺は俺の意志で、テメェのその幻想をぶち殺してやる!」 上条の宣告に、球磨川は無言で動いた。 その全身を大螺子で滅多刺しにして、上条の意識を奪う。 一瞬前の凛とした態度とはそこになく、力無く頭を垂れる上条の姿があった。 そんな上条を冷酷な瞳で見下ろしながら、球磨川はデイバックの中からとある支給品を取り出す。 それは時計の絵が幾つも書かれていた一枚の布切れ。 その布切れを右手に握り、球磨川はもう一つのデイバックを漁った。 寺生まれのTさんから奪い取ったデイバックだ。 その中身は、上条が目を覚ますまでの間に全て確認していた。 球磨川が取り出したのは、手だ。 青白く染まり、血の気すらも感じられなくなった手を、上条の肘先と合わせる。 合わせ、右手に握る布を被せた。 被せ、直ぐさま取り除いた。 たったそれだけの動作で―――上条の肘先と右腕とが接合していた。 『大嘘憑き』ですら治癒できなかった傷を、その支給品は意図も簡単に治したのだ。 未来の科学道具の一つ・『タイム風呂敷』。 時を巻き戻し、壊れた物体を修復する事ができる不可思議な布切れ。 それを利用し、球磨川は上条の右腕を修復した。 未来の科学道具すら『異能』と分類され、無効化される可能性も考えたが、もはや手段はこれしかなかった。 ―――上条当麻を正面から敗北させる手段は。 球磨川禊は、正直に上条当麻を打ち負かしたいと感じていた。 それは、彼が黒神めだかを始めとした生徒会連中に感じている気持ちと、殆ど同様のものであった。 勝ちたい。 格好良くなくても、強くなくても、正しくなくても、美しくなくても、可愛げがなくても、綺麗じゃなくても、 格好良くて、強くて、正しくて、美しくて、可愛くて、綺麗な連中に勝ちたい。 才能に恵まれなくても、頭が悪くても、性格が悪くても、おちこぼれでも、はぐれものでも、出来損ないでも、 才能あふれる頭と性格のいい、上り調子でつるんでいるできた連中に勝ちたい。 決して表に出る事のない、仮面の奥底にある対抗意識が、上条当麻に向けられていた。 だからこそ、上条当麻の右腕を治癒し、『幻想殺し』を復活させた。 正面から『普通』であり続ける『異常』を倒す為、それだけの為に、上条当麻の『幻想殺し』を復活させた。 『大嘘憑き』を無効化した『幻想殺し』。 そして、『異常』なまでに自己を貫こうとする上条当麻。 勝利への願望が沸き上がっていた。 自分は、勝ちたい。 黒神めだかに、この男に、勝ちたい。 『うん、少しはやる気もでてきたかな』 決して括弧付けの言葉を止める事なく、球磨川禊は気絶する二人の男へと背を向けた。 心を映さぬ薄ら笑みを張り付かせ、病室を後にする。 外見は変わらずとも、その心には確かな変化を携えて。 『過負荷』にして『負完全』の男が、殺し合いの場を歩き出す。 『過負荷』として、『過負荷』の勝利を得る為に、球磨川禊が始動する―――。 【A-5総合病院・廊下/1日目・黎明】 【球磨川禊@めだかボックス】 【状態】 【装備】学生服 【持ち物】支給品一式×5、ランダム支給品2~8、タイム風呂敷@ドラえもん 【思考】 基本:『過負荷』として行動し、『過負荷』の勝利を目指す 1:『エリート』を殺害する 2:江迎と志布志を探す。『過負荷』となりうる人間を扇動する 3:黒神めだかや上条当麻に対する対抗心。 4:安心院なじみの名が平戸の口から出たことに驚き 「備考」 ※自身の能力『大嘘憑き』の制限に関しては完全に把握していません。 ※参戦時期は生徒会総戦挙会計戦後です。 ※花京院のスタンドを見ました。 ※大嘘憑きの制限について ・制限一覧に記載されている事項+一度使用すると再度使用に約6秒 ・球磨川が与えたダメージは無かったことにできる ・他の参加者の何か(能力や記憶)等を無かったことにできるのは6時間だけ 【A-5総合病院・病室/1日目・黎明】 【寺生まれのTさん@2ch】 【状態】健康、気絶中 【装備】なし 【持ち物】なし 【思考】 基本:どうしたもんか 0:気絶中 1:当麻の手当てをする 【備考】本編終了後からの参戦 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 【状態】健康、気絶中 【装備】なし 【持ち物】なし 【思考】 基本:殺し合いを止める 0:…… 1:殺し合いを止める 2:球磨川を止める 【備考】記憶を失ってからの参戦 時系列順で読む 前へ:『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(前編) 戻る 次へ:死神のバラッド (前編) 投下順で読む 前へ:『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(前編) 戻る 次へ:死神のバラッド (前編) キャラを追って読む 『大嘘憑き』VS『幻想殺し』(前編) 寺生まれのTさん 上条当麻 球磨川禊 ▲
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/1158.html
当麻「定番になってきたしズガンされるか」ズガン! 【上条当麻@とある魔術の禁書目録 死亡確認】
https://w.atwiki.jp/kurosuyukikaze/pages/14.html
クロスSS一覧 *****作者 ヒカリさん フルメタル・種なのは クロス元:魔法少女リリカルなのは 機動戦士ガンダムSEED フルメタル・パニック! 00話「ブロローグ」 01話「新たな世界」 幸運と運命 クロス元:機動戦士ガンダムSEED 戦闘妖精・雪風 01-異世界」
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1277.html
少年の手術を担当していた冥土帰しが首を横に振る。 それは、もう無理だという、単純かつ分かりやすいサインだった。 まず、銀髪碧眼の少女が泣き崩れる。 次に、赤い髪の少年が天を仰ぐ。 金髪アロハの少年はその場を立ち去り、 吸血殺しはその場に倒れこむ。 少年に救われた者たち、元ローマ正教のシスター4人や、 とある日に、少年と出会ったことのあるロシア成教のシスターも、 何かしらで顔を拭っていた。 そんな中、常盤台中学のエース、超能力者の御坂美琴だけは、 動くこともできずに、ただ、茫然と立ちすくんでいた。 (嘘よね。う、嘘なのよね?) 「お姉さま……」 状態を把握し、現実を受け入れた者から、その場を立ち去って行った。 まずは、赤髪の神父が立ち去る。その眼に見えたのは、涙。 次に、五人のシスターたち。三人は涙で前が見えないようで、水着のような服を着たシスターと一番身長のあるシスターが他を支えながら出ていった。 吸血殺しと銀髪碧眼の少女は、身長の低い教師に引き取られていった。 そんな中、御坂美琴を迎えに来た白井黒子は、涙で頬を濡らす美琴の姿を見てしまった。 その表情は、あの少年以外には見せたことのないものだった。 (よほど、あの殿方の死がショックだったのでしょうね) 白井黒子は考えた。 美琴との(行き過ぎた)スキンシップの時に、一番目障りだった少年が消えたのに、何故こんなに釈然としないのか。 美琴の悲しげな表情を見たからだろうか。 いや、違う。今までの白井なら、「代わりにわたくしが」などと言って美琴とのスキンシップを取りに行っていただろう。 それなのに、この感情は何なのか。白井にはわからなかった。 その場に居合わせた佐天涙子は白井以上に驚愕していた。 美琴が涙を流している。 それは、佐天があこがれる美琴のイメージとかけ離れていた。 どんなにつらいことがあっても、美琴はその場では泣かないと思っていた。 裏では涙を流しているかもしれないが、表には絶対に出さないと思っていた。 というか、それ以上に、美琴の想い人らしき少年の姿を見て、佐天は驚いていた。 (と、当麻さん?) 佐天が驚いたのにはわけがあった。 同じ無能力者同士、その少年と佐天との間にはいろいろと交友関係があったのだ。 それが、友人関係であろうと。それ以上の恋人関係であろうと。 最近、佐天はその少年と連絡が取れないことに、不信感を抱いていた。 それが、美琴と一緒に居たからだと考えると、自然と胸が苦しくなった。 (今の私に、御坂さんに合わせる顔は、ない) 佐天涙子は走りだす。 ここが病院だということも忘れて。 誰もが幻想殺しの死を知った。 名前は伏せられて、ニュースにもなったほどだった。 ただし、「上条当麻」が死んだのではなく、「学園都市最大の防御壁」が無くなった、と。 ローマ正教との戦争、そしてつい先月の「0930」事件。 上条当麻の死は、学園都市の防御力をガクンと下げてしまった。 「……というわけなのって、ミサカはミサカは10032号からの連絡を包み隠さず伝えてみたり」 打ち止め、と呼ばれる見た目10歳の少女が、白髪の少年に伝えた。 その横には黄泉川愛穂と芳川桔梗もいる。 ここは、黄泉川の家のリビングだ。 「ああ、それで小萌先生がここ最近、ずっと休暇を取ってるじゃん?」 黄泉川は納得したように言うと、うつむいてしまった。 「あの少年とは、9月の初めに地下街で戦ったじゃん。正直、死んだなんて信じられないじゃん」 黄泉川はそう言ったあと、黙った。 「あンだ?そういやお前、アイツが死ンだって言ってから、色々と司令みたいなンを出してっけどよォ。そりゃなンでだ?」 「そ、それは……」 打ち止めは黙った。しばらく無言の状態が続く。 「……彼の死に、妹達が精神的ショックを受けて、暴走をし始めちゃったから止めてるだけだよってミサカはミサカは強がってみたり」 「はァ?」 白髪の少年は黙った。 彼がこの生活を手に入れたのは、何を隠そう上条当麻のおかげだ。 上条がこの白髪の少年に勝たなければ、この生活はなかった。 そして、今暴走し始めている妹達の命もなかった。 その場がまた、無言になる。 (オレには、何もできない……) 白髪の少年は、自分の悲しみを悟られないように、静かにリビングを後にした。 「まさか」 神裂火織は上条当麻の部屋で座り込んでいた。 (上条当麻が、亡くなるとは……) イギリスのローラが出した指令は、「治療部隊を派遣する」ということだった。 (間に合う訳が、ないのに……) 神裂は自らの頬を伝う、水滴に気付いた。 (涙……) 自分も相当なショックを受けていることを、神裂は悟った。 止めようと思っても、止まらない。 (お礼を、言い損ねましたね…) 神裂は天を仰ぐ。 (流石に、失礼なことをしてしまいました) それ以上に、神裂は思う。 (私は、この魔法名を名乗っていてよいのでしょうか) 救われぬものに、救いの手を。 魔法名に従うなら、今しかない。 でも、神裂にはどうすることもできなかった。 余談だがその頃、天草では、五和が自殺しようとしているのを建宮が必死に止めている最中だった。 上条刀夜、同じく詩菜、そして竜神乙姫の3人は学園都市の入口に立っていた。 上条当麻の、亡骸を見るために。 「当麻……」 声を出せたのは刀夜だけだった。 詩菜はずっと泣き続け、乙姫に関しては、泣き疲れて寝てしまった。 そんな3人の前を、身長の高い一人の少年が走っていく。 「これで、第一段階は成功や。あとは、西に逃げ切れば……」 青い髪でピアスを付けた少年は走っていってしまった。 しかし、3人にそれを気にする余裕はなかった。 その時、 「すみません。学園都市って、ここであってますよね?」 上条と同い年ぐらいの少年が、刀夜たちに尋ねた。 「そうですが……何かご用でも?」 刀夜が尋ねると、少年は頭をかきながら、 「いやあ、インターネットで知り合った友達が学園都市に居るって言ってて、今日会う予定なんですよ」 「そうなんですか……」 少年は刀夜の言葉に対して、こういった。 「まあ、ウチのクラブのサイトにコメントを残してくれてた人なんですけど、何度かメールで愚痴りあってたんですよ。んで、会おうってことになって」 刀夜は言う。 「でも、最近学園都市では、色々な現象が起こってるらしいですよ。気を付けてくださいね」 「ご忠告、ありがとうございます」 少年は、最後にこう言った。 「色々な現象、か。アイツが喜びそうな街みたいだな」 「ううぅぅ、白井さんがさぼったぁぁぁ」 パソコンのキーボードをカタカタと鳴らしながら、風紀委員の初春飾利が言う。 初春も、ショッピングモールで上条に助けてもらった経験があるが、名前を知らない初春は「上条当麻」がその少年だということを知らない。 「こういう時に限って、仕事は多いんですよぅぅぅぅ」 もう、半泣き状態の初春は「もう、いいですっ」と言って、仕事を一旦止め、とあるサイトにアクセスした。 (そういえば、今日はここの人と会うんだったなぁ) 仕事を終わらさないことには、後で固法の痛いお仕置きが待っている。 「ふぇぇぇ、あと一時間で終わらさないと……」 初春はキーボードを打ち続ける。 約束の時間に間に合わせるために。 待ち合わせは第七学区の常盤台中学の前。 時間まで、あと1時間ちょっとだ。 「では、青髪ちゃんが犯人なんですね?」 「はい。そうなります」 親船が上条の担任である月詠小萌に告げた。 美人のエゴだろうか、彼女にはとても情報が集まっている。 「その青髪って子は学園都市を抜け出して、現在逃亡中だそうです」 親船がそういうと、小萌はさらに落ち込んでしまう。 自分の教え子が殺人を犯したのだから、当然だ。 ましてや、被害者も自分の教え子なのである。 「とりあえず、クラスのみんなにはまだ、告げないほうがいいと思います。みなさん、ショックを受けると思うので」 親船が言ったことは、最善の事だろう。 しかし、小萌は首を横に振る。 「そんなこと、できるわけないじゃないです。私、涙を抑えるのが一番苦手なのですよ。すぐにバレてしまいます」 「そういうことじゃありません」 親船はしっかりとした目つきで小萌に告げた。 「死んだ人を生き返らせる能力。そんな能力だってあるんです」 「ふむ、興味深いねそれは」 ステイル=マグヌスはとあるビルの屋上でタバコをふかしながら座り込んでいた。 ちなみにこれは親船と小萌の会話を聞いて出た言葉だ。 (アークショップは、そのことを知っているから、言わなかったのだろう) カエル顔の医者は、上条がまだ死んでも生き返らせる人間がいると、イギリス清教側にだけ伝えていたのだ。 (そうでなければ、インデックスはイギリスに連れていかれてただろうしね) ステイルは上条当麻が死ぬことで、あの少女の周りの世界が失われることが、何よりも恐かった。 (あの子の悲しい顔は、もう見たくない) ステイルは横に居る神裂、そして土御門のほうを向いた。 「……ま、まだ完全に死んでいないのですか?」 「神裂、まさかアークビショップからの電報をまだ見ていないのか?」 ステイルは呆れたように自分の同僚を見た。 「だって……あの時は気が動転してて…………」 「そ、そーだぜ、ねーちん。き、気づいてなかったのかよ」 「お前もだろ、土御門」 冷静になれていたのはステイルただ一人だった。 (もう、僕は知らん) あとは、上条当麻の生命力にかけるだけだ、と。 ステイルは十字架を握った。 第七学区の常盤台中学の寮の前、頭に髪飾りを付けた少女、初春飾利はある人を待っていた。 もとはと言えば、友人である佐天涙子に進められて一度、観覧したブログに何度か出入りしていた時に、そこのブログ主がコメントの返事をくれたことが始まりだった。 その相手は、文の使い方からして男だと推測した初春は、ブログ主に会いたいと思っていた。 美琴に想い人がいるのはわかってるし、(百合な黒子は除外)佐天にも恋人が出来たようで、初春は取り残された感があったのだ。 それに、遠距離恋愛になれたら素敵だな、というメルヘンチックな思考回路を持つ彼女にとって、外部の人との恋には、興味があったようだ。 そして、待ち人と同い年ぐらいの人が目の前を通り過ぎていこうとした。 その男性は、初春が知っている美琴の想い人に似ていた。 「えっと、そうだ。カミジョーさんだ。すみませーん」 初春は白井の言葉を思い出し、とっさにその言葉が出た。 しかし、その男性は、 「えっ、俺?俺は上条じゃないんだけど……」 と困惑しきった様子だった。 ちなみに初春は名前が出てきているのに、美琴や白井が風紀委員の仕事に来ないのが、まだわからない。 「あっ、人違いでした。すみません」 「いえいえ、いいですよ。ってうわあぁぁ、猫じゃねえか」 その男性は猫を見たとたんに逃げ出した。 「うーん、見たところ猫にトラウマがあるのでしょうか……」 まあいいです、と初春は正面を向く。 「あっ、初春さんですね」 やっと初春が待っていた男性が来たようだが、その男性の様子がおかしい。 「何も聞かないで。一緒に逃げてください」 「はは、はいぃぃぃぃ?」 初春は手をひかれて走り出す。 「やはりこの街に来ていたのですか。厄介なことにしてくれましたね。貴方がここに来ることで、彼女が超能力者の存在を知ってしまった場合、我々の世界にも超能力者が現れてしまうでしょう。もっとも、彼女が退屈することはないと思いますが」 一方通行、超電磁砲。二人の超能力者が戦意を失った今、ローマ正教およびロシア成教からすると、攻撃のチャンスとなる。 そしてロシア成教先鋒部隊が学園都市のすぐそこまで迫っていた。 その中の一人、サーシャ・クロイツェフは複雑な思いに心を奪われていた。 (私は、ロシア成教のエージェント) 先鋒部隊のエース。 (学園都市とイギリス清教は敵) もう、戦争へと突入してもおかしくない状況である。 (ローマ正教が神の右席を失ったように、学園都市も幻想殺しを失った) 彼女は幻想殺しを復活させるために、学園都市内の再生能力を持つ人間を集めに集めていることを知らない。 (ロシア、ローマ側からすると。いや、ロシア側からするとこれはチャンス) 第二部隊は現在、日本では北方領土と呼ばれているあたりで待機中だ。 (しかし、問題はイギリス清教がどう動くかでしょう) おそらく、まだ動いては来ないと思われる。 (先制攻撃でたたみかけるなら、今がチャンス) 幻想殺しの治療に最大の力を注ぐ学園都市は、警備員や風紀委員の救護係までを幻想殺しの治療へと向かわせた。 ここを逃せば、またあの鉄壁の守備で食い止められてしまう。 なのに、 (ためらってしまう、この感情は何なのでしょう)ミーシャは悩む。 まだ13歳のお年頃な女の子にとってそれは何という感情なのか。 エージェントの彼女にはわからなかった。 「あのバカ。本当に周りを考えずに動くんだから」 「で、でも熱中しすぎてた私たちにも非があると思うんですが……」 「…………私は、そうは思わない……………………」 「あーもう、行くわよ」 女性三人組。ロシア成教先鋒部隊を通り越して、学園都市へと向かう。
https://w.atwiki.jp/xege/
管理人からのお知らせ 攻略に関係する質問がある時は、まず左上の検索ツールを使ってから!! ←の検索ツールを使うと、用語を色別で表示します。 【発売日】2008年9月25日(PS3)/2009年10月1日(XBOX360) 2009年12月10日(PS3廉価版・CHセレクション) 【機種】PS3/XBOX360 【価格】7140円(PS3・XBOX360) 3990円(PS3廉価版・CHセレクション) 【メーカー】コンパイルハート 公式 http //www.compileheart.com/spec/?hard=ps3 title=xedge Xbox360版 公式 http //www.compileheart.com/spec/?hard=xbox title=xedge_d 本スレは↓へ 5ch現行スレ検索 http //sirtuin.me/index.php?word=%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8 XEdge クロスエッジ総合 Part2 (スレ落ち) https //mastiff.5ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1325289407/ 【PS3/Xbox360】クロスエッジ (スレ落ち) https //mastiff.5ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1264005246/l50 【PS3】XEdge クロスエッジ 17x (スレ落ち) https //schiphol.5ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1228758545/ XEdge クロスエッジ 攻略スレ part7 (スレ落ち、攻略wikiにてまとめの攻略メモあり) https //schiphol.5ch.net/test/read.cgi/goverrpg/1226232487/ 【Xbox360】クロスエッジ ダッシュ Part3 (スレ落ち) https //jfk.5ch.net/test/read.cgi/gamerpg/1256443336/ キャラスレは↓へ 【クロスエッジ】相羽命【家庭教師】 https //kanae.5ch.net/test/read.cgi/gamechara/1416312433/
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/111.html
不幸少年、上条当麻は思わず耳を疑った。 「土御門、もう一度言ってくれ。なんだって?」 通話先の隣人に、今一度尋ねる。 「にゃー。学園都市のお偉いさん方達が、カミやんが魔術師を追っ払ってくれるのは感謝してるんだが、その度に破壊される建物の修復費用が馬鹿にならないって言ってるんだにゃー。それで、カミやんには学園都市で今秋から始まる特撮モノの主人公役をやってくれるなら、費用面はチャラにしてくれるっても言ってるんだにゃー」 土御門の言っていることを上条は頭の中で簡単に整理する。 「その、つまりなんだ?俺がヒーローになれ、と?」 「その通りだ、カミやん。日時と場所は後で詳しく伝えるから、頼んだぜい」 それだけ言うと、土御門は電話を切った。 「俺が…ヒーローに?」 次回、とある戦士の幻想殺し 『変身』 お楽しみに! とある戦士の幻想殺し とある建物の一室で、白髪頭の少年とアロハシャツに金髪サングラスの少年は会話を交わしていた。 「一方通行、お前は学園都市に莫大な借金があることは知ってるよな?」 「あァ、百も承知だ。けどよォ…本当にやれって言うのかァ?」 「勿論だ。お前の他に誰がやるって言うんだにゃー。…まぁ、ある人物も似たような条件でやってるが」 そう言うと、金髪サングラスの少年は懐からとある場所と日付、時間が書かれた用紙を取り出し、白髪頭の少年に渡した。 「やれば良いンだろ、やれば」 ちっ、と舌打ちして用紙を乱暴\に受け取る。 「そうだ、それでいい。じゃ、俺は行くぜぃ」 「さっさと消えろ」 白髪頭の少年がそう言うと、金髪サングラスの少年は部屋から出て行った。 「ったく、めンどくせェなァ……」 脳裏に命懸けで守ると決めたとある少女の笑顔が浮かぶ。その幻想を護る為、白髪頭の少年も部屋を後にした。 第二話 雲一つない快晴の空、上条当麻は指定された場所に到着すると、驚きで開いた口が塞がらなかった。 「す、すげぇ……」 用意周到の撮影セット、スタッフ、見る物全てが上条には新鮮だった。 「お、君が上条君か?」 呆然と立ち尽くしていると、監督とおぼしき人物が声を掛けてきた。 「あ、はい。そうです」 「話は聞いているな?」 「えぇ、勿論です」 「それなら、まずはアクションの仕方を学んでもらう」 そう告げると、監督は作業中のスタッフを呼び寄せる。 「なんでしょう監督」 「コイツに動きを教えてやれ」 「わかりました」 監督に指示されたスタッフが上条に近寄る。 「アクション監督の山下だ。君、名前は?」 「上条です。上条当麻」 「上条君、君は格闘技とかやったことは?」 「あんま無いです…つか、路地裏での喧嘩程度なんで」 あはは、と上条は笑いながら経験を語る。 「ふむ…見たところ、それなりに筋肉は付いてるようだね」 山下は上条の肉体を見回し、感想を述べる。 「感想ー!」 「どうした」 上条の肉体を観察し終えると、山下は監督を呼んだ。 「身体的にはバッチリですが、アクションの方はまだ未熟な面がありますね」 「そうか…なら、指導を頼む」 「わかりました。上条君、今日はこの後の予\定は?」 監督と話を済ませ、山下は上条に尋ねる。 「一応は暇ですけど…何か?」 「うん、ちょっと演技指導をね」 「演技って、アクションのすか?」 「そうだね。君の役は格闘主体の戦い方だから」 「格闘主体って……まさか俺が変身した後も俺が演じるんですか!?」 「あれ?聞いてなかった?」 「てっきり変身したらスーツアクターの人が頑張ってくれるのかと、」 山下から話を聞き、上条は驚愕する。ちゃんと説明しなかった土御門を恨みつつも。 「学園都市の特撮モノは『外』とは違うからね」 ははは、と笑いながら山下は上条に動き方の説明を始めた。 陽も落ち、すっかり闇が支配する学園都市をくたくたになった上条は歩いていて、とある学生寮に帰ってきた。 「ただいまー…インデックス」 あの後、拳や蹴りの出し方や走り方の指導を散々山下から教わった上条。 「こんなんでやって行けるのかな…」 いつもより疲労感UPで部屋に行くと、インデックスの姿が無かった。 「…………、」 自分の帰りが遅かったため、恐らく小萌先生の所に行ったのだろう。そう考えていると、書き置きがあった。 『とうまの帰りが遅いからこもえの家に行ってくるね。インデックスより』 飼い猫のスフィンクスの姿も見えない為、今は上条一人が部屋に居る。 「さっさと風呂入って飯食って寝るとしますか。…いや、貰った台本読んで台詞覚えねーとな」 ぶつくさ言いながら上条は作業を始める。 過酷な日々が始まることをその身に感じて。 第三話 翌日も実に快晴日和だった。上条は準備を済ませて、撮影現場へと向かった。 「監督ー、上条君入りまーす!」 上条が到着すると、山下が出迎えてくれた。 「よし、今日は撮影開始だ」 「台本はちゃんと覚えてきたんだろうな?」 「えぇ、でも初めてなんで…お手柔らかに頼みます、監督」 「今日は登場、変身シーンと戦闘だけを撮るから大丈夫だよ」 はぁ、と上条は山下の説明を受ける。 「よーし、行くぞー!」 監督からの指示が飛び、スタッフが慌ただしく、各自の持ち場へと付く。 「上条君、はい、ベルト」 「ありがとうございます……、これが…変身ベルト」 差し出されたベルトを受け取り、まじまじと見詰める上条。 「アクション!」 上条がベルトを見ている間に準備が終わり、監督が撮影開始の合図を出すと、上条は急いで持ち場へと付く。 「キャー!」 「うわああああ!」 エキストラの人々が怪人から逃げ惑う。 その光景に上条は息を呑む。出番が近付く。 「…上条君、出番だ!」 山下が静かに上条に合図する。 「………、」 無言で頷き、上条はついに動いた。 「おい、化け物!こっちを向きやがれよ!!」 エキストラを追う怪人の背後に立ち、叫ぶ。 「………、」 上条の姿を見つけた怪人は、上条の方へと向かってくる。 (来た来た……えーと、確か…) 次の行動を考えている間にも、怪人は距離を狭める。 (くっ…) 距離は目と鼻の先。上条は拳を握る。 「うおぉぉぉ!」 「………!」 怪人へと左拳を突き出すと、怪人は怯んだ。 (次は確か…!) 上条はおもむろにベルトを取り出し、腰に装着して、 「行くぜ、化け物!」 そう叫ぶと、両足をしっかり大地に付け、右腕を龍が天に昇るように上げ、左腕を腰の脇に置き、 「みんなは、俺が護る……、変身!」 上条が叫ぶと共に、上条の全身を眩い光が包み、姿を変えた(変身後の姿はご想像にお任せします)。 (マジで変身出来た…!学園都市の科学力すげぇ!) いつまでも感心していられない。上条は拳を握り直し、怪人へと突っ込む。 「とりゃああああ!」 「…………!!」 上条の突進に反応した怪人も、向かってくる。 それに合わせて、上条は拳を放つ。 「はぁっ!」 「………!?」 「とぉりゃあっ!」 右、左と拳を叩き付け、これでもかと蹴りも放つ。 「………!!」 だが、怪人もただ黙っているわけではない。 「ぐはぁっ…!」 「………、」 怪人の反撃。 急所を狙ったタックルや、重い一撃をかましてくる。 「くそっ…このままじゃ…やられちまう!」 止まらぬ怪人の猛攻に、上条は焦りを覚える。 「くっ…そったれがぁっ!!」 「!」 攻撃と攻撃の隙間を狙い、上条はパンチを決めると、怪人がぶっ飛ばされた。 「今だ!」 はぁぁぁ…、と全身に力を込め、上条は飛び上がった。 「!!?」 「俺の一撃は、ちっとばかり痛いぜ!」 起き上がり、防御しようとする怪人目掛け、上条は必殺技のキックを炸裂させ、 「!!!」 怪人は爆散するのを確認すると、 「この俺が居るかぎり!平和は乱させない!」 決め台詞を叫んだ。 無事に本日の撮影が終わり、上条は帰り支度を初めていると、 「なかなかいい演技だったよ、上条君」 背後から山下が声を掛けてきた。 はぁ、と上条が答えると、山下は明日も頑張るように、とだけ伝えて去っていった。 「それだけの為に声掛けてきたのかよ」 思わずツッコんでしまう上条。 「さて、帰るか……」 撮影の前には聞いていたが、自分が変身して怪人を本当に倒すという、体験したくても体験出来ない体験をした上条は、変身後の余韻を噛み締め、学生寮を目指した。
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/3802.html
「不幸だぁぁぁーーーーっ!!!」 そう、上条当麻は不幸であった。 というのもそれは数分前に遡る。 それは上条が「殺し合いなんて幻想、この俺がぶち殺す!!」と決意した時であった。 彼は1人の少女とであった。 変なコスプレをしていることを除けば年端もいかない幼き少女だ。 こんなところに1人きりでは危ないだろうと思った上条が話しかけようとしたときであった。 近くの民家が大きな爆音と共に壊滅した。 しかも1人の少女の放った光弾によってである。 呆然する上条を見て少女は言った。 「遊ばない?」 と、いうわけで今上条当麻は今全力疾走中なのであった。 早く仲間を見つけないと首輪爆発で死ぬ。 そうでなくともこの少女の力によって死ぬ。 まさに前も後も地獄というわけだ。 「おいおいおいおい冗談じゃねぇぞ!?このまま戦闘ばっかしてちゃ君も上条さんも死んじゃうんですよ? 分かってるんですか~?」 「じゃあ逃げなきゃいいじゃない。私の玩具にしてあげるから」 そう言って少女は上条に向かって光弾を発射した。 だが上条に着弾する直前で光弾は跡形もなく消え去った。 驚愕する少女。上条は逃げるのをやめて少女に向き直る。 その目は先ほど逃げていた時のものとは違う…別のものであった。 「そうか…だったらちょっと眠っててもらうぞ!」 上条はそう言うと少女に向かって拳を振り上げながら駆け出した。 少女は(ちなみにフランドール・スカーレットというのだが彼は知らない)は一瞬驚きを見せる。 だが、気を取り直すと周囲に弾幕の嵐を形成した。 この弾幕の嵐が直撃すればもろい人間など木っ端微塵だ。 最も、大量の弾幕に切り替えたのはこの上条という男の気迫に押されたからだろう。 フランドールの手が前に突き出されると同時に大量の弾幕は上条へ向かって放たれた。 が、それは『バキン!』という音を立てて消滅した。 少年の右手によって。 「え?」 「無駄だって分かったろ?もうやめようぜ。な?」 「っ…!玩具の癖にぃぃぃ!!」 上条の言葉にフランドールは激怒し、襲い掛かる。 弾幕が通用しないなら直に潰すまで。 だが―――― 「いい加減にしろぉぉぉっ!!」 フランの攻撃が届く前に、上条の重い一撃がフランドールに突き刺さる。 小さな身体はそのまま壁に激突し、そのまま地面に倒れ動かなくなった。 「さて、このままだと上条さんは首輪が爆発して死ぬから…一応この子を仲間にしておくか」 先ほど殴り倒して気絶させたフランを介抱でもしようと近づく上条当麻。 だが彼は気づいていなかった。倒れているフランの口元が笑みを浮かべていることに。 (うふふ、バカな人間ね) フランドールは気絶などしていなかった。 彼女は人を越えた吸血鬼。普通の人間の拳で気絶するほど柔ではないのだ。 動かなかったのは人間にしてはいい一撃だったために、つい倒れたまま呆然としていただけでそれを上条が勘違いしただけである。 目の前の男が自分に手を伸ばそうとして来る。 止めを刺そうとしているのか助けようとしているのかそんなことはどうでもいい。 自分に触れた瞬間、その腕をへし折ってグチャグチャに壊してやろうというのが彼女の思惑であった。 そしてその瞬間がやってくる―― だが、フランの身体はどこからか飛んできた大螺子によって貫かれていた。 「な…?」 「がはっ…――――え?」 驚く上条と実は気絶していなかったフランの許に声が聞こえてくる。 「『幼女なら攻撃されないって思った?』 『開始一話なら鬱展開で誰かが死ぬことはないって思った?』 『彼女が可愛らしい外見だから』『後で改心して仲間になる展開がいつか来ると思った?』」 「うぐっ…がぁぁあああああああああああああああああ!!!?」 男の声が止まらない。飛来する螺子も止まらない。 螺子は次々とフランの体に突き刺さる。 上条はそれをただ眺めることしか出来なかった。 「『甘ぇよ。』」 そして、最後に止めといわんばかりにフランの頭部に大きな螺子が突き刺さり、今度こそ動かなくなった。 上条が振り向くと自分と同じくらいの学生服の少年がいた。 フランに刺さった螺子と同じものをもつことからこの少女を殺した犯人であることは間違いなかった。 それにしてもなんなのだろうこの男は。 善でもなく、邪でもない。ただ1つの不快感。 それがいろんなことに巻き込まれている上条の目の前にいる少年の感想だった。 我に戻った上条はいきなり現れた少年を殴った後、胸元を掴む。 「何故こいつを殺した!こいつが殺し合いに乗っていたからって…変な力を持っていたとして…殺すことはねぇだろうが!」 「『おいおい勘違いするなよ。』『僕はこの子に襲われてる君を助けてやったんだ。』『僕は君の命の恩人だぜ。』『文句言うなよ』」 「てめぇっ…!」 「『ま、気持ちは分からないでもないし?』『謝るから許してくれない?』『人助けのためとはいえもう他人を殺したりしないよ』『ごめんなさい』」 上条の怒りを白々しい戯言でのらりくらりとかわす少年。 謝罪を含めた言葉に気持ちが伝わっていないことは誰が見ても明白だった。 だんだんと怒りのボルテージが上がっていく上条。 だが、直前で頭を冷やす。そうだ、この殺し合いには2人組みルールがある。 「分かった。今回は許してやるよ。このままじゃ首輪爆発しちまうしな」 「『うん、そうそれだよ!』『実を言うと僕も仲間を探していたんだ。』『友達も見つからなくて困ってたんだよ』」 そうだ、だから今はこの男の戯言など我慢しておけ。 「俺は上条当麻だ。よろしくな」 「『うん、僕は球磨川禊って言うんだ。』『仲良くしてね』」 だがな、球磨川禊。 次お前が何かとんでもないことをやろうとしてるなら…。 俺はそのふざけた幻想をぶち殺す!! 【一日目・0時5分/宮城県/天候・嵐】 【上条当麻@とある魔術の禁書目録】 【状態】健康 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】 基本:殺し合いの打倒 1:球磨川と行動する 【球磨川禊@めだかボックス】 【状態】健康 【装備】大螺子 【道具】支給品一式 【思考】 基本:??? 1:上条と行動する 【フランドール・スカーレット@東方Project 死亡確認】
https://w.atwiki.jp/animefate/pages/26.html
第一話 「幻想殺しと幻想奏者(イマジンブレイカーとイマジンマスター)」 聖杯戦争。 「万能の釜」また「願望機」とも呼ばれる、手にした者の望みをかなえる存在である聖杯をかけ、7人のマスターたちがそれぞれサーヴァントと呼ばれる英霊を従えて競い合う戦い。 サーヴァントのクラスはそれぞれ「セイバー」、「アーチャー」、「ランサー」、「ライダー」、「キャスター」、「アサシン」、「バーサーカー」に分かれる。 サーヴァントを使役し、その中で最後まで生き残った者が勝者となる。 来る時節である今宵もその戦いの火蓋が切って落とされようとしている。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 突然ではあるが、ワタクシこと上条当麻は途方に暮れていた。 何故か?と聞かれても自分でもよくわかっていない。 昨日の夢に見た内容をインデックスに教えたら、何故かインデックスは顔をこわばらせるとあわてて部屋を飛び出して行ってしまった。 追いかけようとして部屋を出ると、今度は土御門にバッタリ遭遇した。 インデックスが俺の昨日の夢を聞いた途端、部屋を出て行ったという事を土御門にも教えると土御門は急に顔色を変えてある場所に連絡した。 そして土御門に付いてこいと言われて連れられ、以前も来た事のあるあの潰れた劇場に着いた。 何が何だか全くわからない。想像すらできない。 ただ、俺の昨日の夢が関係している事は想像に難くなかった 昨日の晩、俺はこんな夢を見た。 ――そこはまるでコンサートホールのような場所であった。 だが、明らかにコンサートホールと違うのがうかがい知れる。 まるでプラネタリウムの席のように、球状のその場所をぐるりと一遍の隙間もなく席が配置されている。 明らかに現実から離れた光景であった。 そんなトンデモ空間の中に、少女が3人となんとも言い難い化物のようなものがいた。 その少女たちのうち、赤い少女は黒髪と桃髪の少女との間に何やら鎖のようなものでできた壁でその化物と分断されていた。 赤い少女は何やら二言三言言葉を告げると髪留めをほどき、髪飾りをその手に握りしめながらその化物に向かい祈るような姿勢をとった。 すると、その少女の周囲にいきなり槍のようなものが無尽蔵に現れた。 さらにはその少女を持ちあげるかのように、足元からも槍(確か多節棍とか言ったよな?)が現れる。 その少女は化物に向かい何かを告げるとおそらく自分の武器である槍を携え、髪飾りに口づけをして自分の前方に放った。 その瞬間、髪飾りは弾けて見ていられないほどの光を放った。 ――夢はそこで終わり、俺は目を覚ます。 何が起こったかは分からないけど、随分と不思議な夢だった。 あの子の使っていたのは何かの魔術の一種なのだろうか? 唐突にそう思って、インデックスに聞いてみようとその夢の内容について教えた。 そしたらこんなよくわからない展開になってしまった。 不幸だ・・・。 どうでもいいことだけど、朝から正体不明の痛みを左手に感じる。 土御門に連れられる前に医者に診てもらったが、手をほとんど見もしないでなんの問題もないと言われた。 もしかして、タトゥーか何かだと誤解されたのだろうか? 学園都市の技術をもってすれば、何の痛みもなくタトゥーを彫りこむことなど簡単だ。 そんなのどうでもいいことだと思われてしまったのだろう。 魔術の類かと思い、試しに右手で触れてみたけれども痛みは全くひかなかった。 どうやら異能の力を打ち消す幻想殺し(イマジンブレイカー)は発動しなかったらしい。 科学でも魔術でもないとしたら一体何が原因なのだろう? 劇場で待つ事30分、慌てた様子のステイルが現れた。 ステイルは挨拶もなしにズカズカと急ぎ足で俺に歩み寄り、いきなり無言で俺の左手を乱暴に取った。 「・・・痛ってえな!何するんだよ!」 ステイルはその左手をまじまじと見つめると、あからさまに大きくため息をついた。 ため息をつきたいのはこっちの方だと言わんばかりに睨みつけながら、ステイルの手を振り払う。 「・・・全く、キミというやつはつくづく面倒を起こすのが得意なんだな。」 「・・・は?面倒?一体何の事だよ?」 「ステイルは、その左手の模様についての事を言ってるんだにゃー。」 そう土御門に言われて、改めて左手の模様を見る。 真っ赤な色をした、一見難の模様かは分からないが、何となくこっちに何かを伝えようとしている意思を持った不思議なものであった。 「で、これが一体何だっていうんだよ?」 「それは『聖杯戦争』と呼ばれる、あらゆる望みを叶える万能の器を賭けた戦いにおいてマスターと呼ばれる存在がその身に受ける令呪という刻印だ。」 「マスターは誰もが必ずそれを持っていて、それがある限りマスターはサーヴァントという自分の英霊を支配下におけるのですたい。」 「これって魔術なのか?」 そういうと俺は左手を二人にかざした。 土御門は何故か少し呆れたような表情を作って答えた。 「おいおい、カミやん。それ自体は魔術なんかとは遠くかけ離れたものなんだぜ?さっきここに来る途中、自分でも確かめたはずだろ?そいつは聖杯戦争が終わるまでは消えない。」 「そもそも聖杯戦争って何なんだよ?」 「聖杯戦争っていうのはさっきも言った通り、万能の願望機を賭けて7人のマスターが最後の1人になるまでやりあう殺し合いさ。」 「何?」 「正直、僕も混乱しているんだ。アークビショップが自分のもとに届いた荷物を見た途端、随分と嬉しそうにしながら僕を呼んでそれを伝えたんだよ。その聖杯戦争というものについてね。」 「何でも、監督役の一人として選ばれたとか何とか。俺もステイルからある程度のことを教えてもらっただけの聞きかじりのヤツだからあまり詳しくは知らないにゃー。オルソラ達にもそれについて調査を依頼したらしいが成果は全然上がってきてねーですたい。」 「・・・そうだ。アークビショップからこれをマスターが見つかったら、その者に渡すように言われていたんだ。」 そういうとステイルはポケットから何か小さなものを取り出して、俺に投げてよこした。 俺はそれを『右手』で捕らえる。 その瞬間、俺はしまった!と思ってしまった。 イギリス清教へと届けられた物品なのだから、魔術や異能の力に関わる物である事は想像に難くない。 それを『右手』なんかで触れてしまったら・・・! と考えていたのだが、いつまで経っても幻想殺しは発動しない。 恐る恐る手を開いてみるが、「それ」はちゃんと原型もとどめているし、何らかのオーラらしきものも失われていない。 「それ」は一見すると十字架のようにも見えるが、それとは大きく異なったものである事は容易に想像できた。 「それ」は夢に出てきた赤い少女の持ち物にソックリであった。 俺は改めて「それ」を不思議そうに眺めてみる。 「カミやん、そんなに不思議そうな顔をしてどうした?そいつが幻想殺しに反応しなかったのがそんなに不思議か?」 「だって、これはお前らのトップ宛てに届いたものなんだろ?だったら魔術に関わる物かと思って・・・。」 「どうやらそれはそういう類のものではないらしいんだ。僕も初めて手にしたときは何かは感じるが、何を感じ取ったかは全くわからなくてね。そいつを一度調べてもらったんだが、やはり結果は出なかった。」 「おそらく、カミやんのその左手についた模様と何か関係があるんだろうぜ。何せ、そいつも右手に反応しなかったんだからな。それにカミやん、ここに来る前に俺に昨日の夢について教えてくれたよな?」 「あ、ああ。それはそうだけど。」 「おそらくそいつはこれらの物となんかの因果で結ばれているんだろうぜ。俺にもそいつの正体はわからないからな。」 「・・・。」 「君はその聖杯戦争に出るつもりなのか?」 考える。 確かにあらゆる望みが叶うというのはかなりおいしいとは思う。 だが、それは人を殺し、踏み台にしてまでする事なのだろうか? 人によってはそうかもしれない。 でも、俺はそんな奴らとは絶対に違う道を通って今まで「上条当麻」を演じてきた。 だから、答えはノーだ。 そう考えをまとめた瞬間、ステイルはこう言った。 「ま、聖杯が君を選んだんだ。君の意志なんかは全く関係ないけどね。」 何だって・・・? 「おい、ステイル!それはどういうことなんだ!」 「落ち着け、カミやん。ステイルの話はまだ終わっちゃいない。」 「ふざけんな!人が人を踏みにじってまで叶える願いに何の価値が―――」 「君ならそういうと思ったよ。」 「何・・・?」 「確かに聖杯戦争は7人のマスターが最後の1人になるまで殺しあう戦いだ。だが、マスターである条件はサーヴァントを従えているというものなんだ。だから、サーヴァントさえ倒せればマスターを殺す必要などなくなる。」 「じゃあ・・・」 「そうだ。君は自分の願いを叶えたければひたすらにサーヴァントを狙っていくしかない。だが、これは至難の業だ。サーヴァントはマスターと違ってかなり頑丈な奴が多い。だから倒すには相当な労力を要する。そこまでして君には叶えたい願いがあるのか?」 また考える。 今の俺は「上条当麻」を演じているだけの存在。 でも、もし願いがかなうとしたら――― あの日以前の記憶を取り戻したい。 そして本当の上条当麻として復活したい。 そう強く思う。だから――― 「ああ、あるぜ。・・・絶対に叶えたい願いが。」 「・・・そうかい、それなら話を進めよう。聖杯戦争においてマスターには参加資格としてサーヴァントが必要になる事は教えたね?」 「ああ。」 「いきなりだが、これからサーヴァントを召喚する儀式を執り行う。いいね?」 「え?何だって?」 「カミやん、お前の聖杯戦争でのパートナーを今から呼ぶんだよ。ま、大方呼ばれる英霊は想像できるがな。」 そういうと二人はいつも描いているものとは違った何やら特殊な魔法陣を描き始めた。 俺はすることがないので、そこから少し離れたところで見ていた。 二人とも初めて描く魔法陣なのか、ステイルの取り出した紙を時折見ながら描いていた。 そうこうしているうちに魔法陣は描き終わり、二人はその外へと出た。 「完成っと。いやー初めて描く魔法陣は骨が折れるにゃー。」 「さあ上条当麻、この紙に書かれている呪文を読むんだ。君の持っているそれをここに置いてね。」 そう言ってステイルは劇場の一番上の段を指さす。 俺はステイルの指示通りに事を行い、魔法陣の近くに待機する。 準備が整ったことを確認して、俺は呪文を読み上げる。 「告げる―――― 汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に 聖杯の寄るべに従い、この意この理に従うならば応えよ 誓いを此処に、我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者 汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」 そう言い終えた途端、魔法陣が強く輝いてその内側に「何か」を呼び寄せた。 俺は何かに体力を持っていかれるようなそんな感覚を覚えたが、それをこらえて魔法陣の内側を見る。 夢に出てきた赤い少女がそのまま夢から飛び出したようにその少女は現れた。 見た目は中学生くらいの、赤を基調とした服装に胸元に赤い宝石を飾り、紙を黒いリボンで結び、槍を携えた少女は閉じていた目をゆっくりと開くと俺を認めた。 そしてその少女は口を開き、俺に向かってこう言った。 「あたしを呼んだのはアンタか?」 あまりに突然のことで驚きを隠せないでいるが、俺は反射的に答えた。 「あ、ああ。そうだ。」 「そっか。あたしはランサー、真名は佐倉杏子だ。少しの間だけどよろしくな。」 「俺は上条当麻。よろしく。」 俺がそう言うと、彼女――佐倉杏子――は微笑んで手に持っていたポッキーをこっちに向かって差し出した。 「食うかい?」 それがワタクシこと上条当麻とランサー、佐倉杏子との出会いであった。 これを境に俺の聖杯戦争は始まりを告げた―――
https://w.atwiki.jp/index-log/pages/276.html
【現時点での結論】 不明。 よくよく考えるとどちらもありそうなので原作で直接描写待ち状態。 【考察】 オッレルスの使う魔術「北欧王座」を幻想殺しで防げるかどうかについての議題。 防御可 ・北欧王座の効果が右手にも均等に加わるので打ち消せる 防御不可 ・同じく北欧王座の効果が右手以外にも均等に加わるのでダメージを食らう 防御可能の意見については、本文から 「ダメージが全身に均等にいきわたっている」「布を水で浸したよう」 に近い描写があり、右手も含む全身に北欧王座の効果が行き渡るので 必然的に右手で消すことになる。 これは、「幻想殺しは点攻撃よりも面攻撃の防御が得意」という 少々特殊な特性にも当てはまるかもしれない。